韓国語を勉強するために韓国ドラマを見ている人は、ドラマの中のジョークに注目したことがありますか?ジョークはどこの言語においても、人と人をつなげる重要なコミュニケーションになります。韓国語をマスターしたい人や、韓国語でコミュニケーションをとれるようになりたい人は、韓国語のジョークを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。この記事では、韓国ドラマに出てくるジョークをご紹介します。由来や使い方のコツ、また韓国の人と距離を縮めるための「オヤジギャグ」についても見ていきましょう。
目次
韓国ドラマで出てくる韓国語のジョーク
韓国ドラマには数々のジョークが出てきますが、字幕では日本人に理解しやすいような表現に置き換えられていたり、韓国語のリスニング力が不十分だったりするために、いまいち理解できないことがありませんか?韓国語のジョークまで理解しクスッと笑えるようになったら、あなたの韓国語レベルは相当のものでしょう。では、韓国ドラマに出てくるジョークを解説していきましょう。
韻踏み3連続のハードなジョーク
韓国ドラマに出てくるジョークの中には、韻を踏んだ言い回しがあります。『ザ・キング~永遠の君主』に出てくる「僕も馬を持っているよ」というセリフにも、ジョークが含まれています。馬は韓国語で「말」(マル)といい、このあとに同じく「말」(マル)がつく言葉を並べてジョークのように言い放っています。
【出典:젠니알 jen-ni arr】
「チュマル(週末)、ヤンマル(靴下)、マンマル(暴言)」という3連発で、見事なテンポですね。このように、同じ言葉で終わる単語を出し合う遊びは、韓国語の語彙を増やすのに効果的でしょう。
「行ってきマンモス」的なジョーク
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の中に、このようなジョークがあります。
김민식입니다람쥐(キム・ミンシク イムニダラムチ)
前半では「キム・ミンシク」と名前を名乗ろうとしています。通常「キム・ミンシクイムニダ(キム・ミンシクです)」というところですが、イムニダの部分に似た単語「다람쥐(ダラムチ)」をつけて「キム・ミンシク イムニダラムチ」とユーモアを交えて自己紹介しています。「ダラムチ」は「リス」という意味なので、日本語で「行ってきます」というところを「行ってきマンモス」というジョークに似ていますね。
「奈良の鹿せんべい」がジョークに?
韓国ドラマを見ていると、まれに日本の文化やモノがジョークに使われることがあります。たとえば『記憶~愛する人へ~』の中で、後輩から「なぜ?」と尋ねられた先輩が「なぜなら奈良の鹿せんべい」と返したシーンがあります。奈良の鹿せんべいが韓国語のジョークに使われているのは驚きですよね。しかし、これは翻訳家による”意訳”であることが分かっています。実はこの部分、日本を侮辱する表現がなされていたセリフだそうで、和訳するにあたって直訳することを避けなければならなかったとか。こういった理由で、日本人になじみ深いジョークに書き換えられることがあるのですね。
韓国で有名なオヤジギャグ
韓国で有名なオヤジギャグは、日本と同様に数多く存在しているようです。ところで、韓国語で「オヤジギャグ」は「アジェゲグ」というんですよ。「アジェ」はおっさんやおじさんというニュアンスを持ち「ゲグ」は「ギャグ」です。日本語と同じ言葉の並び順で、比較的覚えやすいですね。どこの国でも、お父さんがギャグを放つ文化があることが窺え、親近感が湧きますね。それでは、韓国のオヤジギャグを見てみましょう。
アイゴー!キムサジャン!
「アイゴー!キムサジャン!」は、韓国の鉄板ネタです。日本でいうと新喜劇の決めゼリフのような形で「アイゴー!〇〇サジャン!(おやおや、〇〇社長)」と、相手を社長として持ち上げるニュアンスで呼びかけます。そして「パンガックマン、パンガウォヨ(会えて嬉しいよ)」と続けるネタです。韓国ドラマでは『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』で見ることができ、実際に1988年ごろから使われていたギャグだったそうですよ。
【参考サイト:8090_tv】
「オレンジを食べるのはどれだけ久しぶりだろう」
「オレンジを食べるのはどれだけ久しぶりだろう」は、韓国で有名なオヤジギャグですが、一見意味を推測するのが難しいですよね。韓国語では、以下のように表記します。
오렌지를 먹은 지 얼마나 오랜지
「オレンジ」と「どれだけ久しぶりだろう」を意味する韓国語の発音が似ており、オレンジに置き換えています。オレンジは오렌지、「どれだけ久しぶりだろう」は얼마나 오래인지(オルマナ オレインジ)と表記します。オレインジというところを「オレンジ」と表現しているのですね。
「バナナを食べたら僕に惚れちゃった?」
「バナナを食べたら僕に惚れちゃった?」は、韓国語で以下のように表記します。
바나나를 먹으면 나한테 반하나?
1つ目の赤字が「バナナ」で、2つ目の赤字が「惚れちゃった?」という意味です。発音が似ているので、オヤジギャグとして使われるようです。韓国ドラマではラブコメやロマンスが主流になっているように、ロマンチックな言い回しが多いイメージのある韓国。オヤジギャグも恋愛系が多いのですね。
「僕たちもう会うのやめよう」
韓国語のオヤジギャグにある「僕たちもう会うのやめよう」は、想像通りの別れ話です。しかしこれはギャグであり、正しい返しは「そうね、じゃあ後ろで会いましょう」となります。韓国語で表記すると、以下のようになります。
우리 앞으로 만나지 말자. 뒤로 만나자.
赤字で表記した「앞으로(アップロ)」は「これから」という意味ですが、앞(アプ)のみだと「前で」という意味になります。つまり「僕たちこれから会うのをやめよう」ではなく「僕たち前で会うのをやめよう」というギャグとなり「じゃあ後ろで会いましょう」と返すのですね。
まとめ
韓国ドラマに出てくる、韓国語のジョークについて解説しました。韓国語のジョークは、ドラマをさらに深く理解するため、韓国語の文化理解を深めるために必要な知識となるでしょう。韓国で定番のジョークやギャグを知っていると、現地の人とのコミュニケーションが盛り上がったり、親近感を抱いてもらえたりする可能性もあります。そして、韓国ドラマが好きならよりストーリーを楽しむことができますね。字幕ではなかなか理解ができない韓国語のジョークですが、学習を進めて少しずつ覚えてみましょう!