この記事では、韓国料理がなぜ辛いのか調査します。韓国は日本の隣国ですが、グルメという部分では対照的な特徴を持っています。辛いものが少ない日本食に対し、韓国料理はほとんどが辛く、日本人の中には食べられない人もいるかもしれません。チャミスルはやばいと誤解されているように、韓国料理にも複数の間違ったイメージがあるかもしれません。韓国料理の背景を知れば、さらに韓国グルメを楽しめることでしょう!
目次
韓国料理はなぜ辛い?
韓国料理がなぜ辛いのかは、主に気候にあるとされています。韓国は、日本と同様に四季がはっきりしています。特に冬が寒く、作物が十分に育たないため、保存できる食品が必要でした。そこで生まれたのが、キムチなどの発酵食品です。キムチといえば、韓国料理の定番でもあり、家庭の味でもありますね。キムチは発酵食品なので長期保存ができ、韓国の冷蔵庫には必ずといっていいほど常備されています。健康や美容に良い効果があることも分かっており、韓国を「美の国」と位置付けるきっかけになりましたね。
【参考サイト:おつけもの慶】
韓国人とキムチの関係
韓国では、作物が育ちにくいほどに寒い冬を乗り切るため、各家庭でキムチを漬けて食べてきました。11〜12月にかけて大量に作っておき、少しずつ食べていたそうです。生活の知恵として保存食が根付いている韓国では、一年中いつでも手に入る食材を使って、保存食を作る文化があります。韓国料理の辛さの基盤はキムチに使われる唐辛子(コチュジャン)ですが、そのキムチというのが、韓国で寒い冬を乗り切る命綱のような存在だったのですね。
韓国の冬は日本より寒い
韓国と日本の違いの1つは、島国か大陸かということです。日本は島国であるのに対し、韓国は大陸にあるため、北の方から来る気候の影響を受けやすい国です。韓国はユーラシア大陸の東端に位置しているため、冬にはシベリア大陸から冷たく乾燥した空気が流れ込んでくるのだそうです。そのため日本よりも寒く、東京で1桁台の気温を記録する冬でも、ソウルでは氷点下ということがあります。
【参考サイト:Trip.com】
隣国でありながら気候は大きく違うので、韓国では日本よりも辛い食べ物を欲し、寒さを乗り越えようとしてきたのですね。
なぜ寒さに辛い食べ物が効果的?
寒いときに辛い食べ物を摂取すると、ぽかぽか温まって心地が良いですよね。韓国では、寒い気候を乗り切るために辛い食べ物が好まれているということもあり、実際に辛い食べ物が寒さを和らげる効果があることが分かっています。具体的にどのような効果があるのかというと、唐辛子に含まれるカプサイシンという成分が新陳代謝を活発にします。そして血行が良くなったり、発汗作用があったりして、身体が温まるのです。PR TIMESによると、冬に身体を温めるために辛い物を食べる人は全体の6割にも及ぶそうです。
肉料理が多い文化も関係?
韓国料理には唐辛子が使われているので、ほとんどのメニューが必然的に辛くなります。その理由は、韓国で昔からなじみのある「肉料理」にあるようです。韓国にはサムギョプサルやカルビ、タッカルビなど、肉を使った料理が多くありますよね。韓国は大陸の一部にあるので、中国やモンゴルなどの遊牧文化に影響を受けやすかったそうです。そのため、肉を日常的に食べる文化が根付きました。そして、肉料理のボリュームに負けない味付けということで、辛い料理が作られるようになりました。
韓国料理が辛くなった歴史
韓国料理が辛くなったのは、私たちが思うほど昔の出来事ではないそうです。熊本県菊池市役所の公式サイトに載せられているコラムによると、1937年から2014年までに発行された料理本や新聞に記載されている、韓国料理の定番・キムチのレシピに変化があったそうです。白菜1株当たりの唐辛子の平均使用量が、1930年代には5.75gほどだったものが増え始め、2010年代になると71.26gになっていたそうです。70年ほどの間に、キムチに使う唐辛子の量が12倍にもなっていたのですね!
朝鮮戦争が原因という見解も
韓国料理が辛くなった背景には、韓国と北朝鮮の間で起こった「朝鮮戦争」がありました。キムチに使われる唐辛子の量が増え、辛い味が大衆に伝わったのは、1950年代ではないかといわれています。「朝鮮戦争、貧困と飢餓のストレスで辛い味を求めるようになった」と指摘されており、唐辛子の辛さが中毒症状を起こすことが、辛い味が求められる理由とのこと。現在でも韓国人に辛い料理が好まれるのは、韓国社会が抱えるストレスの指標ではないか、ともいわれていますよ。
初期のキムチは辛くなかった!
韓国料理の定番・キムチは、唐辛子が入っているものが通常のスタイルだと考えられています。しかし、実は紀元前〜10世紀の韓国の食文化に唐辛子がなく、塩漬け野菜が食べられていました。16世紀の終わりごろに日本から韓国に唐辛子が伝わり、17世紀には韓国でも栽培されるようになります。それ以降、少しずつ唐辛子を食べ物に用いるようになり、19世紀くらいから現在のキムチの形に近づいていったそうですよ。
【参考サイト:キムチナビ】
韓国料理と韓国の美容文化は関係ある?
韓国料理は辛いですが、韓国の美容文化とかかわりがあるのでしょうか?ニキビの治療薬を開発しているPAIRによると、韓国料理は「薬膳」がテーマになっているものが多く、身体の内側から元気と美しさを維持するという考え方にのっとっています。キムチやテンジャン(味噌)などの発酵食品は美肌効果があり、腸内環境を整え新陳代謝を高めます。また、身体を温めるために辛い物を食べる韓国では「冷え」とは無縁の人が多く、血の巡りが良い健康的な人が多いのですね。韓国料理を食べることは、美しさを作り上げる秘訣でしょう。
まとめ
韓国料理がなぜ辛いのか、意外な理由や歴史を調査しました。韓国料理が辛いのは気候による理由が大きいそうですが、ほかにも朝鮮戦争でのストレスや、日本から伝わった唐辛子が徐々に広まっていったという歴史もありましたね。日本ではあまり使われてこなかった唐辛子が、韓国に伝わったことで韓国のメジャーな調味料になったのも、意外な背景でした。韓国料理が辛くなった理由として、日本と韓国のつながりを感じましたね。韓国料理を食べる際には、ぜひこの記事の情報を少しでも思い出して、楽しく味わってみてくださいね。